『白の月』 谷村志穂
今年決めた読書縛り、毎月タイトルに星または月が入っている本を読む。
3月に読んだ星系縛りの本。
今月はなかなか見つからず、背表紙をめちゃめちゃなぞって探しました。
白の月を見つけた時、嬉しかったです。
表紙にも綺麗な満月が描かれていました。
出版社 : 集英社
発売日 : 2004/11/26
あらすじ:変容する愛の形のさまざまを描いた作品集。
妊娠8ヶ月。それなのに、入籍、同居を決められないままの美咲。ふと見つけた一枚の写真から、過去の恋が鮮やかに蘇えるが……表題作他。さまざまな愛の形の変容を描く8編からなる作品集。
きっと読むのがほんの少しだけ早かったのかも、、と思わされる一冊でした。
妊娠や子どもがいる生活で、ちょっとずつ変わる関係をリアルに書いているのか、ドラマとかもっと小説よりの本よりものめり込むという感じではなかったです。
ただ、冬瓜色という話はとてもグッと入り込んでしまいました。
特にこのやりとりが好きです。
p101父「冬の瓜、夏の味、透き通るような色、静かに光る肌の感じ(以下略)」
姉「なんだか透子さんみたいね。冬瓜って、それでいて簡単に崩れたりしないの。 一緒に何を煮ても、冬瓜は冬瓜のままで染まらない。ね、透子さんみたいでしょ?」
このやりとり私なら最大の賛辞として受け止めてしまいそう。しかし、当の透子は
p 119「でも私は色のない冬瓜ですもの、混じることがもともとできなかったのかもしれません。」とある。
全然そういう話ではないけれど、褒めてるつもりでも相手にはそう捉えられないこともあるのかと気づいた一冊でした。